部下の部下の部下の部下のマネジメントはどうしたらいいか?

f:id:takumi1105:20200107111803p:plain

「部下」のゲシュタルト崩壊

 

先日「部下の部下の部下の部下のマネジメントってどうしていました?」と聞かれたので、改めて文章化しておいたら今後も使えそうだなと思ったので書いてみます。

 

そもそも無理( ᐛ👐) パァ

部下の部下の部下の部下がいるチームは20-30名のメンバーが在籍しているはずです。全員と話をしてマネジメントをしていこうというのはそもそも無理。また責任者とメンバーの間にリーダーを置いている場合は、その中間リーダーが意味をなさないことになってしまいます。

なので前提としては「直属の部下であるリーダーを信じる!」がもっとも大事なスタンスです。

 

どうしたらいいか?

「直属の部下であるリーダーの目標のみ見る」です。極論メンバー1人1人の目標は知らなくてもいいです。リーダーが持っているチーム目標(=リーダーの目標)が達成しているかどうかのみ確認をします。

 

下記のように責任者がリーダーに設定したチーム目標を達成していれば、メンバーが未達でもよいということになります。

f:id:takumi1105:20200107120654p:plain

リーダー目線から考えると「次の月は自分の部下を達成するようにフォローしていこう!」「メンバーもチームも達成できるようなKPI設計をしていこう」と考えると思います。「チームが達成しているから未達のメンバーはフォローしない!」というリーダーがいたらそれはちょっと信頼できなさそうですね。

 

責任者の注力ポイントはリーダーの目標達成 

ピラミッド組織の場合、社員が増えれば増えるほど部下の部下の部下の部下・・・・という風にどんどん階層が増えます。まだ経験の浅い責任者やリーダーはどうしても任せることが不安で、メンバークラスの動向を確認しようとしてしまいます(不安の裏返し)

 

また「メンバーの情報を全く知らなくていい」というわけではなく、「本来注力しないといけない直属の部下であるリーダーのフォローにリソースをしっかり割く」という点が非常に大事です。 

f:id:takumi1105:20200107114819p:plain



やってはいけないことNO.1:リーダーを飛び越してのアドバイス

日々仕事をしている際に「直接言った方が早い!」という場面もあるかと思います。しかし結果的に遠回りになります。リーダーを飛び越してアドバイスをしてしまうとリーダーは「責任者から信頼されていない」と感じますし、リーダーと責任者の言っていることが違ったら「どちらのアドバイスを信じればいいのか」わからなくなります。

もし責任者がメンバーにアドバイスをしたい時は「直接対面で話す時はリーダーに同席してもらう」「チャットの場合はチャットルームに一緒に入れる」を徹底しましょう!

 

責任者が行うことは徹底したリーダー教育

結局責任者は20-30名いるメンバーの教育に直接触れることはできません。なのでメンバーを教育しようと思うのであれば、上司であるリーダーを徹底的に教育していくことが必須です。結果的に成長したリーダーが、メンバーをしっかりマネジメントできるようになれば多くのメンバーが活躍できるようになります。

 

またリーダーの教育とは主に「課題特定力の向上」「課題改善力の向上」「コーチング力、ティーチング力の向上」と考えています。

課題特定力と課題改善力(主に文章化の点について)に関しては下記のブログに詳しく書いたので参考までに!

 

もう1つのアプローチ「仕組みを変える」

組織の人数が多ければ多いほど「仕組みを変える」というアプローチは非常に効果を発揮します。

例えば採用人事であれば1人1人に教育をして1時間かかっていた面接時間を45分にしていくのは大変です。しかし面接フローを見直して「45分で面接をする仕組み」にすれば一気に改善をすることができたりします。

今までのやり方を疑う、仕組みごと変えてしまうというのは責任者の非常に大事な仕事なのでここは積極的にやっていきたいですね。 

 

上記に関しては識学の本は非常に参考になるのでおすすめです!責任者、リーダー、メンバーなどの役職に問わず、全員同じ認識があると仕事がスムーズに進むのでチームで輪読会とかしてもいいかもしれませんね。

できる課長は「これ」をやらない!

できる課長は「これ」をやらない!

 

 

組織の余剰20%

2019年は2度の組織強化をしてきました。1つはセールスチーム、もう1つは11月に戻ってきた人事チームです。セールスは10名→30名、人事は7名→15名(1ヶ月で倍に!)の規模です。組織強化をする時に意識をしている「余剰20%」について書きます。

f:id:takumi1105:20191224160731p:plain

組織とは

そもそも組織を作る理由は「大きな成果」を出すためです。1人で出せる成果には限界があります。この文章でいう組織は10-30名程度と考えてください。

特に今年携わったセールスチーム、人事チームは業務フローが非常に似ているかつ人間でないとできない業務が発生するため非常に人数が増えました。(ちなみに人数が増加するに伴い売上も数倍に拡大することはできています)

 

組織の余剰20%を作る理由

組織のすべての工数を100%とした時に20%を余剰リソースとして作っておくことを意識しています。1年〜3年後の理想の組織状態を計画する時に必ず余剰20%は盛り込んだ計画としています。余剰20%をどう使うかは下記の3つです。

 

①実験
②緊急事態への対応
③誰かが倒れた時の補助

 

①実験
「これまでにやったことのない方法へのチャレンジ」「今までやっていたことを思い切ってやめてみる」などの実験をすることで効率的な方法や、より効果的な方法を見つけていくための余剰です。

 

②緊急事態への対応
計画を組んでいても上振れたり、他の部門をヘルプしたりする時があります。その緊急事態に柔軟に対応するための余剰です。

今年の夏も集客が非常に好調な事業に一時的にチームメンバーを異動できたのはこの余剰があったからです。これにより機会の最大化をすることができました。

 

③急に業務ができなくなった時の補助
②にも近いですが、ここはお守りみたいな余剰で、「あえてあげると」くらいのレベルです。仮に急に出社できなくなったらかなりの影響が出るのでお守りを持っておく感じです。

 

組織が大きいほど、余剰20%は価値が高まる

定常業務をこなしていく中で、非効率な業務を「慣れ」という惰性で進めてしまうことはよくあります。組織が大きくなるだけ「非効率な惰性業務×人数=業務量」の値が大きくなります。組織が大きいと非効率な業務を、1つ効率化するだけで大きな業務量削減ができます。

 

あえて余剰20%与える

「今の5倍の業務をこなすには?」「現在の定常業務をなくすためには?」という思考の飛躍を意図的に実施することで業務の改善を行います。
余剰を作っておかないとどうしても目の前の仕事に引っ張られてしまう傾向にあるので、結構強引に余剰を作ることがポイントです。「結構強引に」です!なんなら場所を変えて考えてみるとかもしていいと思います。

 

組織が小さい時はできない(かも)

そもそも自分がゴリゴリのプレイングマネージャーだった時は「余剰20%」とか考えている余裕なんかなかったなぁとこの文章を書いていて改めて思いました。けど行動量も大事ですが、改めて時間を取って「効率的かつ効果的なアクションはなにか?」を考えておくべきだったなぁと反省しっぱなしです。

  

またgoogleには20%ルールというものがあり、「その制度は失敗か?やめた?」的な記事がたくさんありますが、個人的にはあった方がいいと考えています。

今回は組織として書きましたが、個人の時間の20%・給与の20%・利益の20%みたいな話もあると思っています。

 

常に余剰を作っておくことで、組織にも、心にも余裕を持っておくことは精神衛生上非常に大事です👍

「諦める力」とはなにか

f:id:takumi1105:20191025191739p:plain

メンバーとの1on1で話をしている時に「結構自分はあらゆることを意図的に諦めているなぁ」と思ったので書いてみたいと思います。

「諦める」という言葉はなんだか「途中で後悔して辞めた」「逃げた」みたいなネガティブな雰囲気を醸し出しているので、ダメなことのような雰囲気を感じますが、自分はそんなことないと思っています。

諦める力とはなにか

「諦める力」は「選択と集中ができる」の言い換えだと考えています。
人間の人生の時間は有限なので全てのことはできない。全てをやろうとせずに、本当にやりたいこと・やらなければいけないことに集中しないといけない。選択と集中をすることで満足のいく成果を得る確率上げることができるようになる。

諦めるの意味

一般的な認識

後悔して途中で辞める。逃げる。という認識があると思います。「あの人は途中で諦めた」「もう諦めた方がいいんじゃない?」といった言葉にもどことなくネガティブな印象を受けませんか?

本来の意味

つまびらかにする。いろいろ観察をまとめて、真相をはっきりさせる。まこと

引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/154783

です。一般的な認識とは違う意味だということがわかります。真相をはっきりさせることです。明確にしてどうするか決めるということなので、どちらかというと「スッキリとした決断」をしていそう。

具体的に諦めていること

自分の記憶力

覚えること多すぎだし、記憶できることに限界を感じて諦めました。
解決策:captioを使ってタスクを記録する。家族の予定はWunderlist。

ルーティンワーク

ずっと同じ作業を繰り返していく事がどうしても苦手なので、諦めました。
解決策:役割分担をする。得意な人に任せる。

早起き

早起きが苦手な遺伝子があるようで多分それ。あと家帰ったら子供と遊びたいし、早く寝る事が物理的に無理。そもそも起きるのすら苦手。自分で起きるの諦めた。
解決策:早起きが得意な妻に起こしてもらう(神)

未経験の仕事が手につきづらい

これは人間の性質としてどうしようもないと諦めました。そういうもんだと。
解決策:メタ認知して、とにかく10分やってみるというマイルールを作った。

部下の部下までマネジメントしようとする

もはや人数増えすぎて(30名弱)マネジメントできないので諦めた。
解決策:直属の部下まで関わる。直属の部下を信じる。

友達を作る

やりたいことがありすぎて時間がない。たくさん友達を作ることは諦めました。
解決策:本当に行きたい飲み会/集まりだけ参加する、あとは断る。

0歳児の寝かしつけ

ずっと持ってるの無理だし、双子なので同時に寝かしつけるのは諦めた。今2才5ヶ月です。可愛いです。
解決策:自動化した。完全勝利した。

 

その他

・財布持つことを諦めた
・痩せたいから昼飯食べることを諦めた
・カロリー計算とか毎回記録するの無理なのでそういうダイエットは諦めた
・ポイントカード持ち歩けないので全部諦めた
・家の鍵持ち歩くの諦めた
・双子育児になるので徒歩通勤を諦めた

ある社員の話

新しく部下になった社員に全ての業務を1枚の紙に書き出してもらった。そしたら約8割が「上司から依頼されている業務以外の仕事」をやっていたことがありました。もちろん自分だったら評価はしません。目標に対してしなくていい仕事をしているのでむしろマイナスだと考えています。理由を聞くと

・頼まれて断れなかった
・やっているうちに、やらなければいけないことが埋もれてしまった
・やらなければいけないことを取捨選択できなかった

人生の時間は短いです。本当にやらないといけないことに注力して成果を出して評価をされないと給料も上げられないし、他人への価値提供はできません。

適切な人に仕事を渡す、やめていいものはやめる。ということをしたら特に問題なく、仕事がまわり「手が空きました、暇です」と報告がありました。仕事して!w

なぜ諦められないのか?

「諦める」の本来の意味である「つまびらかにする、明確にする」ことができていないからだと思います。

「本当に必要なのか、やるべきなのか、意味があるのか」ということを考えざるを得ない環境だったので考えるようになったんだと思います。今は結構得意です。

明確にすることができればやるかやらないかの判断軸ができて、これは諦めよう!という「諦める力」がついていくんじゃないかなと思います💪

 

諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉

諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉

 

より詳しく知りたい人は為末大さんの本をオススメします。このブログを書こうと思った時に「諦める力」と検索したら出てきました。もちろん本は読んでません。しかし!もちろんいい事は書いてあると思います!たぶん!

誰でも今日からできるタスク管理

タスク管理について聞きたい!という要望をもらったのでまとめました。書いてみて思ったことなんですが、至ってシンプルなことしかしていません。なんか本当に仕事してるのか?くらいのレベルなので参考になるのかわかりません。 

f:id:takumi1105:20190805175539p:plain

一応四半期の評価では「divのなかでNo.1」というフィードバックをもらっているのである程度は早んだと思います。

f:id:takumi1105:20190805180044p:plain
である!

タスクに関する方針

フォーカスする

基本的に「ここだけは自分がやらないといけない」ということをかなり絞り込んでいます。そもそも持つタスクを絞るということから始めないといけない人がいる場合はまずはそこから始めることをおすすめします。
そもそも量が膨大だとタスクを管理するとかしないとかそういう問題じゃないので。

とにかく手をつける

タスク書き出して〜、優先順位をつけて〜、タグをつけて〜、表示する色を変えて〜とかやってる暇あったら多分そのタスク終わってますよね。なのでとにかく着手する。そこで問題や課題を見つけてどんどん進めるということをやってます。
「タスク管理をする」というタスクをやっている人いませんか?|ω・)チラ

 

タスク処理のフロー

タスク処理のフローは下記3つです。基本的にこれを行ったり来たりしている感じです。

①タスク発生編
②タスク処理編
③タスク依頼編

 

①タスク発生編

まずタスクが発生します。基本的に今はリーダーをやっていることもあり勝手に生み出すことが多いです。

simple noteに書く

順番とか、書き方とかはどうでもいいのでとにかく書き込んで忘れないようにします。タスクを処理する以前に忘れたら処理できないので。todo管理のアプリは使っていません。理由はタグ付け、色管理などどうしても機能があると使いたくなるからです。そんなことをやっている時間はない!
captioで自分にメッセージを送る

有料ですが、100000%おすすめです。歩いている時とか、ふと思いついた時とか、電車に乗っている時とか、会議の途中とかで忘れないようにとにかくメモして自分に送信しています。

これで一旦タスクが漏れることがないです。simple noteとcaptioの使い分けとしては会議中・パソコンいじっている時がsimplenoteでそれ以外はcaptioです。

目的をしっかり把握する

依頼された業務には目的があり、解決したい課題があるはずです。それを確認することで「それってこっちですでにやっていない?」とか「それってAさんに聞いたらすぐ解決するのでは?」みたいなことが結構あったりします。

また目的を間違えると90%完成したタスクも、無駄になる可能性があります。なので目的をしっかり確認をすることで「タスクをこなす」ではなく、「タスクを減らす」ことができるためしっかり目的を確認するようにしています。

 

②タスク処理編

時間を確保する

「どこか空いている時間でタスクをこなせばいいか」というのが自分はできません。1日のはじめに30分単位でスケジュールを確認して「たぶんこの時間にタスク処理できるな」という想定を持っておきます。その時間は誰にも話しかけられないようにカフェに行ったり、集中ルームに行ったり場所を変えることを強くおすすめします。

メモ書き

A4用紙+ペンで「結局このタスクは何ができればいいのか?」「どうすればいいのか」「いつまでにやればいいのか」などを書き出します。そうするとやることが明確になり、最短距離でタスクを処理できます。なんなら「これは今やるべき仕事じゃない!無視!」と決めてタスクを減らすこともありますね。

マインドマップ

思考の網羅性を高めるために使っています。なぜ網羅性を高めないといけないかというと「実はこっちの方がいい打ち手だった!」ということをなくすためです。下記のように書き出してみましたが、仮に赤文字のAが一番いい打ち手だとしたら、網羅していない場合はBに加えAを結果的にやることになるのでシンプルにタスク増えますよね。 

f:id:takumi1105:20190830091728p:plain

使っているのはこちら

https://app.mindmup.com/ 

 

依頼編

slackのリマインド

仕事を依頼した時は必ずslackで文章として残すのと同時に自分宛にリマインド設定をします。下記のテンプレートを使っています。はっきり言って頭で覚えていることはできないのでリマインドは必須です。

/remind me to "ここに依頼した内容をコピペする" on 2019/月/日 at 00:00

依頼したことに対して「期限を過ぎても放置する」ということを繰り返していると、「この人に依頼された仕事は少し先延ばしにしても大丈夫」と思われてしまうので基本自分にリマインドが飛んできて、タスクの報告がなければすかさず「このタスク期限過ぎているけどどうですか?」と連絡をしています。

trelloで管理

会社として使っています。使い方は下記を参考に!マジで運用が命です。リーダーがしっかり管理することを継続しないと崩壊します。

 

番外編

タスク処理の予想時間と実施時間を確認する

以前に「タスク処理の予想時間と実際にかかった時間ってどれくらい差があるんだろう?」と思って測ったことがありました。

結論からいうと自分の場合は75%(実施した時間÷予想した時間)でした。

タスク処理予想時間:3000分(50時間分)
実際かかったタスク実施時間:2250分(37.5時間)

ここでわかることは25%のバッファを持った予想を自然としていることがわかりました。なので1日のスケジュールを立てる時も「タスク処理に1時間と想定しているけど実際は45分くらいで終わりそうだから軽いタスクを1つ追加できそう」という予想を立ててスケジュールを組んだりしています。

自分の予想の精度がどれくらいなのか?予想に対して130%実施時間がかかっている場合はもう少し多めに予想時間を取った方が良さそうですね。また予想に対して50%しか実施時間がかかっていない場合はもっとタスクをこなせそうですね。

 

以上です。

書いてみて思ったんですが、タスク処理のスピードが早いというよりタスクがあまり発生しないようにしているなぁと思いました。

 

同じような効率化の話

提案を通す文章の書き方TIPS

f:id:takumi1105:20190829160442p:plain

書く技術・伝える技術を読んでもらって提案文章をリアルな課題でやってもらう、というワークを部下(合計10名弱)に実施しました。フィードバックをした時に「共通して指摘してるなぁ」と思った部分があったのでまとめです。 

以下の内容は本を読んでいないとわからない場合があります。 

改訂新版 書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング)
改訂新版 書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング)
 

目次

【TIPS1】文章の目的を理解する
【TIPS2】課題をより明確にする
【TIPS3】文章内の重要度合い
【TIPS4】網羅して書く
【注意】打ち手先行型提案は通らない

 

【TIPS1】文章の目的を理解する

◎文章の目的
今回の文章の目的は改善提案を行うことです。ひいては上司の「それいいね!やろう!」を引き出すことです。

◎それいいね!を引き出す方法(決裁させる方法)
内容によりますが、大枠下記が書かれていれば決裁できます。
・誰のどんな問題を解決したいのか?
・どんな解決策を打とうとしているのか?
・その他(いくら?いつまでに?誰がやるか?)

極論ですが「それいいね!」を引き出せれば1行でもいいんです。

【TIPS2】課題をより明確にする

課題は大きいものから、小さいものまで様々です。提案をする際はどの課題にフォーカスしているのかを明確にするところからがスタートです。相手のメンタルモデルの第一歩を構築する部分です。

 

◎解決したい課題

■悪い例

・契約率が悪い(大枠すぎて何を解決したいのかわからない)

・1、2、3という課題があり、この施策で全部解決します(本来どこに一番フォーカスしているのかがわからない、あまり一気に解決する施策はない、あったらやってる) 

 

■良い例

・利益率の低いAという商品が売れていて、利益率の高い商品Bが売れていない

・訪問営業1訪問60分のうち80%の時間がサービス説明になってしまっている。問題を把握するためのヒアリングができていない。

・無料体験を実施したことで顧客の受注確度が30%下がっている。

→良い例は具体的でどこの問題を解決すべきかが明確になっている。

【TIPS3】文章内の重要度合い

文章内の文章には重要度が存在します。改善提案の場合は「解決したい課題」がもっとも重要になります。解決したい課題をしっかり理解し、明確なものである場合、改善の打ち手や今後進めることがほぼ自動的に決まるからです。

重要度が存在することを理解しましょう。  

【TIPS4】網羅して書く

仮に解決したい課題が「契約率が低い」であった場合、なぜ人は契約しないのか?という理由を全て書き出してみることが大事です。書き出してみることで契約率が低いことに関してどこに原因があり、どの部分を解決すればいいのかを読み手と書き手の認知統一が行えます。

◎事例

例:契約されない理由
①お金がない
②競合サービスを選ぶ
③サービスを使った後の効果のイメージが湧いていない

 

例:「旅行に行きたい」と言っている人が旅行に行かない理由
①お金がない
②本当は行きたいと思っていない
③休みが取れない
④1人ではなく、一緒にいける人がいない

◎補足

上記を書き出して、認識統一を行ったあとに「網羅した中の、ここを解決します」というように話を進めることができれば、打ち手は自動的に決まります。打ち手先行で話を進めた場合「他に課題とか打ち手ってないんだっけ?」と聞かれるのは網羅された認識統一が足りないことが原因です。

また網羅したとしても3〜7個程度で大丈夫です。10以上あったとしてもまずは解決しなくてはいけないのは1つか2つなので、重箱の隅をつつくような内容が書かれていてもほとんど読まれません。


【注意】打ち手先行型提案

上司は提案を受けた際に「自分のアイディアを通したい提案文章」と「課題にフォーカスできている提案文章」は読めばすぐにわかります。アイディアを通すための文章はポイント2、ポイント3を意識していない文章によくあります。 

◎事例・やりたいこと来客時に最高級のコーヒーを提供する ・理由リラックス効果を得られる他社が出していないので差別化が図れる集中力が増して、話を聞いてもらいやすくなる。結果入金率が上がる ・コスト1人あたり100円(①)月間来客人数1000人(②)①×②=月10万円 1人契約が増えれば費用対効果はあります。

 上記の文章は典型的な「自分のアイディアを通したい提案文章」です。このような文章を書いているにも関わらず通らないと「上司が理解してくれない」という不満を募らせている人は結構います。提案が通らない理由下記3つです。

フィードバック①:課題が不明瞭

「誰のどんな問題を解決するのか」がわからない。またそれは本当に解決すべき問題なのかがわからない。

フィードバック②:他の打ち手はないか?

コーヒーを出す前に他にやることはないか?服装を整える、営業資料を改善する、来客時間を変更するなど他にも打ち手はあるのではと上司に思わせてしまう。

フィードバック③:費用対効果がわからない

契約率が上がる、単価が上がる、紹介率が上がるのか。どの数字を想定しているのかがわからない。なのでコストの計算をされてもどの数字が上がるのかが不明です。

上司は1コストをかけた時に1.2倍の利益があるのか・3倍の利益があるのかを知りたがる傾向にあります。1.2倍よりも3倍の方が良い打ち手になりそうです。

 

「提案が通らない」の原因も書いているので、こちらもどうぞ。



嬉しかったこと

より部下が提案を通せるように、とこのワークをやったのですが、提案文章が非常にわかりやすくなり自分の確認コストを大幅に減らすことができました。また提案がどんどん通るようになるので部下からの改善提案も上がるようになってきてとてもよかったです。何度も「これってどうなの?」「ここよくわからない」というのはお互いツラいので本当にやってよかったです。

「提案が通らない」の原因

f:id:takumi1105:20190829145445p:plain

上司が話を理解してくれない、提案したアイデアを承認してくれない、提案に対して何回も「これはどういう意味?」と確認をもらうことがあるという人は少なくないと思います。提案が通らない原因は意思決定に必要だと考えている部分の上司と部下の認識の違いにありそうだと思ったので書いてみます。

 

なんで認識の違いが生まれるのか?

部下は「提案をする」ことはあっても「提案を承認する」をやったことが多くの場合ないんじゃないでしょうか?なので承認するためにどんな情報があれば承認できるのかを知らないんじゃないかなと思います。

なので意思決定に必要だと考えている部分の上司と部下の認識の違いが生まれます。

簡易的ですがわかりやすく下記の図のようにしてみました。上司と部下がそれぞれ意思決定に必要な情報だと考えている部分をピンクとしています。①〜③は後ほど解説します。

f:id:takumi1105:20190829145605p:plain
部下はピンク色の部分が多いので、部下はピンク色の部分を一生懸命伝えようとします。説明が長い、結論はなに?、文章読みづらい、何を言っているかわからないなどと言われたことがある場合はピンク色の部分が多いことが原因っぽいですね。

意外と上司が知りたいことは少ない!

どんな情報があればいいのか?

上司によって少し変わるところがあるので、完全にこれ!というパターンはありませんが、大枠下記のことが書かれていれば提案は通るのではないでしょうか?自分がよく伝えているのは下記です。

 

①どんな課題なのか?
②どんな解決策を打とうとしているのか?
③その他(いくら?いつまでに?誰がやるか?)

 

 文章の書き方や文章の構成などは下記の本を読んでみましょう!マジでおすすめです。

改訂新版 書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング)

改訂新版 書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング)

 

 

こんな場合はその上司から離れた方がよさそう

感情的に不承認にしてくる

もはや仕事をやる気があるのかよくわからないですね。

意思決定に必要な情報を教えてくれない
提案を通すために上司に「どんな情報があれば意思決定ができますか?」と聞いてもいいと思います。一度聞けばその人の必要な情報を理解できるので次から楽になります。しかしその「必要な情報がなにか?」を上司が理解していない場合は、情報を提供しても意思決定できないですよね。
あといじわるで教えてくれないとかだった場合は......

これからどうしたらいいか

1、提案をしようと思っていると伝え、どんな情報があれば意思決定しやすいかを聞く
2、書く技術・伝える技術を読む

「上司が分からず屋で〜」という前にまずは上記をやってみてはいかがでしょうか?もし本当に分からず屋だったら離れましょう!

 

(divでも採用してるよ https://careers.di-v.co.jp/ )

 

文章の書き方TIPSとしては記事を書いたのでこちらをどうぞ。

 

 

余談

ソフトバンクの孫さんも必要な情報があれば数億〜数百億円とかの意思決定を10秒〜1分でしている可能性ありそうですね。

 

孫社長のYESを10秒で連発した 瞬速プレゼン

孫社長のYESを10秒で連発した 瞬速プレゼン

 

 

仕事ができるできないの一線

 f:id:takumi1105:20190809151042p:plain

 

仕事ができるできないはかなり変数があると思うのですが、自分が一緒に働いていて「この人仕事できるなぁ」と感じるタイミングはいつも「こうしたい!」と言っている人だと感じています。

「こうしたい!」とはなにか

例えば「販売戦略をこうしたい!」「◯◯に新規出店したい!」などの具体的な提案とその人の意思があることです。

なぜ「こうしたい!」が言えないか

「こうしたい!」と言えない人はよく「どうすればいいですか?」と言います。このたった2つの言葉ですが、差は非常に大きいと感じています。言えない原因は①工数、②意思決定の慣れ、③リスクの3つです。飲食店の新規出店の例で。 

f:id:takumi1105:20190809151259p:plain

工数

新規出店をする場合、出店する立地の調査、交通量、事業計画の作成、収支計画、採用計画、スケジュール作成、ガントチャート作成など膨大な工数が発生します。前任者がいればある程度フォーマット化されている可能性がありますが、今回が初めての場合はゼロから作ることになります。

②意思決定の慣れ

これまで意思決定をしてこなかった場合、どこまで決めていいかわからない場合があります。また①工数の部分で集めた情報で決めないといけません。調査をすることが仕事ではなく、どうするのかを決めないといけません。決めること、は意外とハードルが高い行動です。

③リスク

仮に意思決定をして上司に提案をしても漏れがあり「ここ考えた?」と言われることがあります。場合によっては「詰めが甘い」という評価になる可能性があります。また意思決定をして事業が進んでも、予想通りにいかずに失敗する可能性もあります。評価は下がるリスクが発生しそうです。

上記3つを行わないといけないので「こうしたい!」と「どうすればいいですか?」にはかなり大きな一線があると考えています。

 

上司はどう思うのか

「評価が下がるリスクが発生しそうです」と記載をしましたが、これはあくまで部下目線です。上司からするとまず提案をまとめてくる時点で信用度爆上がりです。また「そこまで考えたならあとこことここを考えればいける」ということになるので上司の指示工数を減らすこともできます。

部下Aには①工数の部分を全て調べるように指示しないといけません。また部下Aは調べたら「調べました、どうしたらいいですか?」と言ってきそうですよね。意思決定も上司がしないといけない状況になります。

もちろん最終的な意思決定は上司がすると思いますが、途中経過の細かいところまで全て意思決定を求められるのは結構な辛さがあります。

なので③リスクと書きましたがほとんどリスクはないです。調べることでリサーチ能力も上がるし、知識も増えるし、自分の意思決定が通ったら成功体験にもなるのでいいことばかりです。

 

仮に提案をすればするだけ評価が下がるような組織だったら辞めた方がいい気がします。

あとそもそもそこまで要求されていない場合もあります。とにかく指示待ちで大丈夫と言われているならそうしましょう。けどその仕事の仕方をずっと続けているのは正直将来的に怖い状況に陥る可能性高いです。茹でガエル状態🐸

 

 意思決定をどうしたらいいか迷ったらとにかくメモ書きしましょう。

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング