書く技術・伝える技術を読んでもらって提案文章をリアルな課題でやってもらう、というワークを部下(合計10名弱)に実施しました。フィードバックをした時に「共通して指摘してるなぁ」と思った部分があったのでまとめです。
以下の内容は本を読んでいないとわからない場合があります。
目次
【TIPS1】文章の目的を理解する
【TIPS2】課題をより明確にする
【TIPS3】文章内の重要度合い
【TIPS4】網羅して書く
【注意】打ち手先行型提案は通らない
【TIPS1】文章の目的を理解する
◎文章の目的
今回の文章の目的は改善提案を行うことです。ひいては上司の「それいいね!やろう!」を引き出すことです。
◎それいいね!を引き出す方法(決裁させる方法)
内容によりますが、大枠下記が書かれていれば決裁できます。
・誰のどんな問題を解決したいのか?
・どんな解決策を打とうとしているのか?
・その他(いくら?いつまでに?誰がやるか?)
極論ですが「それいいね!」を引き出せれば1行でもいいんです。
【TIPS2】課題をより明確にする
課題は大きいものから、小さいものまで様々です。提案をする際はどの課題にフォーカスしているのかを明確にするところからがスタートです。相手のメンタルモデルの第一歩を構築する部分です。
◎解決したい課題
■悪い例
・契約率が悪い(大枠すぎて何を解決したいのかわからない)
・1、2、3という課題があり、この施策で全部解決します(本来どこに一番フォーカスしているのかがわからない、あまり一気に解決する施策はない、あったらやってる)
■良い例
・利益率の低いAという商品が売れていて、利益率の高い商品Bが売れていない
・訪問営業1訪問60分のうち80%の時間がサービス説明になってしまっている。問題を把握するためのヒアリングができていない。
・無料体験を実施したことで顧客の受注確度が30%下がっている。
→良い例は具体的でどこの問題を解決すべきかが明確になっている。
【TIPS3】文章内の重要度合い
文章内の文章には重要度が存在します。改善提案の場合は「解決したい課題」がもっとも重要になります。解決したい課題をしっかり理解し、明確なものである場合、改善の打ち手や今後進めることがほぼ自動的に決まるからです。
重要度が存在することを理解しましょう。
【TIPS4】網羅して書く
仮に解決したい課題が「契約率が低い」であった場合、なぜ人は契約しないのか?という理由を全て書き出してみることが大事です。書き出してみることで契約率が低いことに関してどこに原因があり、どの部分を解決すればいいのかを読み手と書き手の認知統一が行えます。
◎事例
例:契約されない理由
①お金がない
②競合サービスを選ぶ
③サービスを使った後の効果のイメージが湧いていない
例:「旅行に行きたい」と言っている人が旅行に行かない理由
①お金がない
②本当は行きたいと思っていない
③休みが取れない
④1人ではなく、一緒にいける人がいない
◎補足
上記を書き出して、認識統一を行ったあとに「網羅した中の、ここを解決します」というように話を進めることができれば、打ち手は自動的に決まります。打ち手先行で話を進めた場合「他に課題とか打ち手ってないんだっけ?」と聞かれるのは網羅された認識統一が足りないことが原因です。
また網羅したとしても3〜7個程度で大丈夫です。10以上あったとしてもまずは解決しなくてはいけないのは1つか2つなので、重箱の隅をつつくような内容が書かれていてもほとんど読まれません。
【注意】打ち手先行型提案
上司は提案を受けた際に「自分のアイディアを通したい提案文章」と「課題にフォーカスできている提案文章」は読めばすぐにわかります。アイディアを通すための文章はポイント2、ポイント3を意識していない文章によくあります。
◎事例・やりたいこと来客時に最高級のコーヒーを提供する ・理由リラックス効果を得られる他社が出していないので差別化が図れる集中力が増して、話を聞いてもらいやすくなる。結果入金率が上がる ・コスト1人あたり100円(①)月間来客人数1000人(②)①×②=月10万円 1人契約が増えれば費用対効果はあります。
上記の文章は典型的な「自分のアイディアを通したい提案文章」です。このような文章を書いているにも関わらず通らないと「上司が理解してくれない」という不満を募らせている人は結構います。提案が通らない理由下記3つです。
フィードバック①:課題が不明瞭
「誰のどんな問題を解決するのか」がわからない。またそれは本当に解決すべき問題なのかがわからない。
フィードバック②:他の打ち手はないか?
コーヒーを出す前に他にやることはないか?服装を整える、営業資料を改善する、来客時間を変更するなど他にも打ち手はあるのではと上司に思わせてしまう。
フィードバック③:費用対効果がわからない
契約率が上がる、単価が上がる、紹介率が上がるのか。どの数字を想定しているのかがわからない。なのでコストの計算をされてもどの数字が上がるのかが不明です。
上司は1コストをかけた時に1.2倍の利益があるのか・3倍の利益があるのかを知りたがる傾向にあります。1.2倍よりも3倍の方が良い打ち手になりそうです。
「提案が通らない」の原因も書いているので、こちらもどうぞ。
嬉しかったこと
より部下が提案を通せるように、とこのワークをやったのですが、提案文章が非常にわかりやすくなり自分の確認コストを大幅に減らすことができました。また提案がどんどん通るようになるので部下からの改善提案も上がるようになってきてとてもよかったです。何度も「これってどうなの?」「ここよくわからない」というのはお互いツラいので本当にやってよかったです。