採用人事の教育をしていく上で難易度が高いと感じているのが「幹部採用ができる採用人事の教育」です。自分の認識と教育内容をまとめてみました。
想定読者
・幹部採用をこれから経験をする採用人事
・採用人事に幹部採用を任せたい経営陣
そもそもの話、ビジネスに興味がない人にはツラい
大量のインプットが必要なので「自然と情報を収集しちゃう」くらい興味がないとただただツラいです。なので入り口として「興味があるか」は非常に大事です。
採用人事の経験がなくても興味がある人ならできる可能性は高いと思うくらい大事だと感じています。
■チェック項目
・NewsPicks課金して読んでいる
・Strainer課金して読んでいる
・決算説明資料の存在を知っている
・ビジネス書を年間最低10冊は読んでいる
・決算説明会動画を見たことがある
↑こういうことを1つでも「勝手に」やっているということは、行動をしているので「興味がある」に入ります。興味があると勝手に行動しちゃいますよね。
幹部とはなにか
個人的な解釈としては「変革を起こせる人」だと認識しています。超有名どころでいうと元USJ森岡毅さん、ワークマン小濱 英之さん、ソニー平井一夫さん、元クックパッド穐田誉輝さんなど。他にもいますが思い出した順で。
幹部採用というと「年収800万円以上」「執行役員・取締役などの役職」「ストックオプション」などの条件面がイメージされやすいです。しかし会社により条件は様々なので一概に定義するのは難しいです。
幹部採用をするにはどうしたらいいのか
スカウトを送る、面談をするなどは当たり前なのであえて書きません。ここで非常に大事だと感じているのは「客観的に認識する」という部分です。
100%見極めるのはほぼ無理ですが、客観的に認識することは努力次第で精度を上げられます。
「客観的に認識する」ということはどういうことか
物事は一方向から見るより、多角的に見た方が正しく物事を認識できる確率は上がります。下記の画像のように多角的に見ることで相手の置かれている状況を正しく認識することができるようになります。
また同じ「人材系、売上10億円」でも多角的に見ることで見え方が変わってきますよね。
・A社は少人数だけど利益率20%!生産性高く仕事しているかも?
・B社は設立2018年で売上10億円もある。積極投資しているから利益率低い?
・C社は設立30年。業務フローが固まっていて改善余地ないかも?
など多角的に見ると見え方が変わってきます。
その中で幹部候補の方が「どういうミッションを実現できたのか?」「どういう難易度の仕事だったのか?」を客観的に認識することで、自社の求めるミッションを実現できそうな人材かを予想することができるようになります。
多角的に見るためにはどうしたらいいのか?
「大量のインプット」が必要です。ではどのようにインプットすればいいのか?
1、幹部人材のレジュメを読む
人事のみなさんはラッキーなことに様々な幹部人材のレジュメをビズリーチなどで見ることができます。気になる会社の幹部はどんな仕事をしているのか?どういう経歴の人が急成長企業の幹部として働いているのかを知ることができます。
「世の中にこんな経歴の人がいる」という知識は幹部採用ができる採用人事には必須の知識です。経営陣にもアドバイスをすることができるはず!
2、現役の幹部人材に話を聞く
記事で見たり、レジュメを見るだけでは限界があります。より生々しい話は直接聞くしかありません。これもラッキーなことに面接で聞ける機会がたくさんあります。自分でインプットした情報を元に仮説を持って質問することでネット上には出ていないリアルな話が聞けるはずです。
3、決算説明資料を読む
決算説明資料は会社の今後の課題、売上、利益、ユーザー数、戦略などが記載されているため非常に勉強になります。
人事の方々に馴染みの深いwantedly、Green(アトラエ)の決算説明資料を記載しておくので参考までに見てみると面白いと思います。上場企業に限りますが、コーポレートサイトのIRページに掲載されています。
4、実在する企業に関するビジネス書を読む
特に創業者が書いている本はおすすめです。それぞれの会社の歴史やどんなことを考え事業を成長させてきたのかを知ることができます。
実在はしないですが個人的にはハゲタカ(8回は見た)、半沢直樹は好きです。
5、ニュースアプリを読む
NewsPicks、BRIDGE、TechCrunch、Strainer、R25などのニュース・記事サイトを読んで世の中にどんなサービスがあり、どんな企業が注目されていて、どんな企業が資金調達をしているのかなどの情報をインプットする必要があります。
6、ボイスメディアを聞く
まだ多くはないですがよく聞くボイスメディアがあります。下記はベンチャーの情報やニュースにおいての幹部の方の意見を聞けるので非常に参考になります。ピックアップは張ヶ谷チョイスです。おすすめあれば教えてください。
voicyではベンチャー支援家K、朝倉祐介さん
stand.fmではじんさんfm、ノッポ社長のブランド起業チャンネル
インプットを重ねるごとに「基準」ができていきます。「売上10億円は多いのか少ないのか」「利益率20%は高いのか低いのか」など客観的に認識する基準ができることで自分の中での仮説を持てるようになります。
このように非常に大量×100のインプットが必要になってきます。「自然と情報を収集しちゃう」くらいに興味がある人でないとなかなかツラい作業です。
もちろん読んだからすぐに客観的に認識することができるようになるわけではなく数ヶ月〜数年続けることが必要です。
また上司からのフィードバックも不可欠です。
客観的に認識できるようになったらどうするか?
先にも記載しましたが、100%見極めるのは無理です。これまで経験してきた実績や規模などを客観的に認識して、自社が設定した目標を実現できそうかを判断します。
実現できそうなマッチ度のイメージは下記画像です。より実現できそうな人を採用するのが目標達成には重要です。100%マッチした人はなかなかいません。
判断するにあたって客観的に認識することも大事ですが、自社が設定する目標が明確であることも非常に大事ですね。
幹部採用ができる採用人事になるために今日からできる3つのこと
機会を作る
実践に勝る学びはないです。なので今勤めている会社の社長、経営陣に「幹部人材の採用ニーズはないか?」と聞いてみましょう。幹部人材の採用を進めるにあたり大量のインプットが必要になるので自然とできるようになっていくはずです。
自分が「ビジネスに興味があるのか」を知る
そもそも自分が「ビジネスに興味があるのか」を知るために記事を10本ほど読んで見てみましょう。また決算説明資料の存在をこの記事で知ったと思うので5社分見てみるといいと思います。
インプットを始める
「自分がビジネスに興味があるのかを知る」に近いですが、多角的に見るために記したインプットをとにかく始めてみましょう。インプットを増やすごとに幹部人材のレジュメを客観的に認識することができるようになってくると思います。
最後に
「変革を起こせる人」 が入社することで本当に会社は大きく変わることを実感しています。
divでは累計約30億円の資金調達を担当したCFOが事業が立ち上がって間もない時期に入社をしてくれました。また係数管理もままならない状態の時に売上100億円規模を経験した幹部が1メンバーとして入社して先日取締役に就任しました。
人事を任された1プロとして「変革を起こせる人」に入社してもらえたのは非常に誇りに思っています。その学びを今回文章に残せればと思い書いてみました。
幹部採用をこれから経験をする採用人事の方々、採用人事に幹部採用を任せたい経営陣の方々の参考になれば幸いです!
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