エージェント手数料アップ施策よりも効果的な◯◯◯◯の実施

中途採用支援(RPO)を行っている株式会社NewRecord張ヶ谷です。
決定数を増やす、母集団形成を加速させるために人材紹介会社(エージェント)の紹介手数料アップ施策を行うケースをまぁまぁ見かけます。1社目エージェント、2社目事業会社人事、現在RPOを提供しているところからちょっと思うことがあったので書いてみます。

紹介が来ないのは「情報」が足りないから

もうほぼこれが結論なんですが、圧倒的に情報が足りないため候補者に紹介する時に説明することができない。説明ができないから候補者に紹介しない。結果紹介が来ないという感じです。

エージェント側もリクルーティングアドバイザー(以下:RA)、キャリアコンサルタント(以下:CA)に分かれていて企業からヒアリングをRAがして、CAに情報を共有する。CAが候補者に紹介するという形で伝言ゲームになっている場合が多いです。RACAを両方を1人が担っている場合もあります。

情報を正しく流通させないと紹介も増えるわけがないんです。

 

情報とは

あくまで張ヶ谷がよくヒアリングをする情報を記載します。自分がストーリーとして語るために必要な情報をお聞きするケースが多いです。モレあるかも。

組織図:全体のどこの、どの部分の話をしているのか?
上司になる方の経歴:どういう人がマッチしそうなのか?
同ポジションで最近入社した人の経歴、同僚・メンバーの経歴:同上
業務のミッション、目標:そもそも何を実現して欲しいのか?
業務範囲:ミッション、目標を達成するための業務範囲は?
今回の募集背景:なぜ募集しているのか?
事業の状況:事業の強み弱み
顧客の課題:顧客はなぜそのサービスを利用しているのか?
選考フロー:そもそも必要な情報
不合格になった人の理由:紹介基準として有用
利用しているツール:なんとなく文化がわかる
勤務形態:そもそも必要な情報
給与条件:そもそも必要な情報

 

「情報共有」のおすすめの方法

説明動画を共有する
文字よりも動画の方が情報を理解するのに非常に優れていると感じます。2、3倍速で見れますし。あと社長や経営陣、部長が話をしている方が「人柄」も理解できる。かつ動画なのでいくらでも見返せるし、共有しやすいです。NDA結んでいるのでエージェント内での共有は容易。RAからCAへの伝言ゲームも無くなります。

説明用資料を共有する
これは説明動画と同じようなことですね。あとCAから候補者へ説明する時の資料としても活用できます。

追加質問の時間を設定して質疑応答
「動画と資料渡したんだからわかるでしょ?」は絶対だめです。その中でも理解をしてもらうために質疑応答の時間を確保する必要があります。大枠の説明は動画と資料でできているので時間短縮にもなります。

面接同席
実際の面接にRAまたはCAの方に同席してもらいましょう。会社説明や見極めポイントなど非常に参考になります。不合格理由をRAに伝えてもリアルタイムで同席していないのであくまで面接官の解釈も含んだフィードバックになってしまいそれが正しいかどうかわからない場合が多いです。
「あーあの時に候補者が発言していたあれですよね。あれは良かったですね」「確かにあの表現は他責の感じが伝わりましたね」など認識レベルの高い会話ができるはずです。
面接の録画ができるのであればその共有でも良いと思います。

不合格理由を詳細に伝える
これは非常に多いのですが「スキル不足のため」「他責思考なため」など非常に端的な不合格理由の共有で済ませてしまうケースをよく見かけます。はっきり言うとそれではわからないです。情報として不足しているので「面接の評価基準がよくわからないし、教えてもくれないから今後は紹介を控えよう」となっていってしまいます

 

エージェント手数料アップ施策は接点を作る

「手数料がアップすれば優先的に紹介が増えるだろう」はあると言えばあります。ですがどちらかというと「手数料アップ施策が開始されるので再度打ち合わせを設定して説明させてください」という接点ができ情報のアップデートがされたため紹介が増えたというのが実態のように思います。

これまで全然紹介してこなかったエージェントも接点ができたことで情報を得ることができ紹介に繋がります。その中で母集団形成もできるし、たまたま紹介した人材が決定することもあります。

逆を言えば情報を正しく共有していて、エージェントが「あの会社のことはもうなんでもわかる」という状態になっているのであれば手数料アップ施策は実施しなくても継続的にマッチする人材が紹介されるのではないでしょうか?

 

エージェントとの打ち合わせで画面共有もせず、ひたすら口頭で説明するような打ち合わせをしているような場合は大事な「情報」が伝わっていない可能性が高いので要注意です。的確な紹介をしてもらうことで採用人事の口数も減るので心当たりがありそうであれば積極的に「情報共有」してみてください。