準備不要のワークサンプルテスト「マインドマップ」

中途採用支援(RPO)の株式会社NewRecord張ヶ谷です。

こちらの記事で記載をしている採用プロセスですが、引き続き改善を進めています。今回は改善編です。結論を書くと「出題形式のワークサンプルを廃止、事前準備不要のマインドマップに変更」をしました。

 

出題形式のワークサンプルを廃止したのか

問題の出し方に課題があったのかもしれませんが「表層的なスキルしか見極めることしかできなかった」からです。本来見極めたいと考えていた思考力やゴール/目的から考える力を測る課題としては不十分なように見えました。

ある程度場数を踏んでいる人からすれば本人ではない誰かが作った雛形をコピペして即答するということもできなくはないです。それだけ即時対応するスキルは備わっていても思考力は測れません。また考えて仕組みを作る側にはなれないように見えました。

そのため出題形式のワークサンプルを廃止しました。試行回数は5回です。選考に関わった面接官と実施後に振り返りをすぐに行い改善を進められたように思います。

 

準備不要のワークサンプルテスト「マインドマップ

次に試しているのがマインドマップです。これは思考力やゴール/目的から考える力を測るのに非常に理解が進むワークだと感じています。防げそうな課題、手順、良い点、非効率な点をまとめてみました。正直準備不要で明日からでも始められる内容ではあります。

利用しているマインドマップはこちら:

 

※あくまでイメージです。ここにどんどん書き足しながら質問をしていきます。あと5倍は大きくなります。

 

■どういう課題が防げそうか

「何を解決したいんだっけ?」と聞く機会が減りそう

ゴール/目的から考える力があれば、施策を提案してもらう仕事でも「ゴールなんだっけ?」と聞かなくても良くなるはずです。この確認工数は入社後上司としては結構な工数になるのでできれば入社前に見極めたいところです。人によっては育成では解決できない場合もあります。

 

「もっと他に案はないの?」と指摘する機会が減りそう

いわゆるジャストアイディアです。ゴール/目的から考える力があり、打ち手を網羅的に考え提案をしてくれれば「それは効果が限定的なので実施しません」などの回答がきます。しかしジャストアイディアで提案してくる場合は思考の網羅性がないのでツッコミどころ満載になります。

せっかく部下から上げてきてくれたアイディアは上司もできれば否認したないはずです。ですが効果の薄い打ち手を実施させて工数を増やしたくもない。そういうやり取りを減らすための見極めができそうです。

 

ゴール/目的から考える力があり思考力が備わっていれば適切な目標設定と都度のアドバイスを行うことで期待した目標を達成するケースが多いように感じています。

 

■手順

1、時間確保
ワーク実施担当と候補者の時間を1時間確保する。マインドマップを使って画面共有+録画をしたいのでオンラインで行うことをオススメします。日程調整はspirで。

 

2、実施当日
時間になったらマインドマップを開いて画面共有+録画の準備をします。基本的にワーク実施者はワークに集中しているので「この人は選考に通りそうかどうか」に気を配れる状況ではないことが多いです。なので録画を撮っておきましょう。あとで冷静に判断をするためです。夢中になっていると小さな違和感に気づけないことが多いです。

 

3、ワークサンプルテストの実施
まずは候補者の経歴の中で一番成果出せた内容を伺います。1つで十分です。それが決まったら目的、手法、周辺情報などをどんどん聞いていきましょう。あっという間に1時間が経過します。または30分も満たずに終了するケースもあります(この場合は不合格になるケースが多いように思います)

↑回答が簡潔すぎて30分でも合格になったケースがありました。なので時間はあまり関係ない要素だったようです。2023年11月6日更新。

 

4、録画の見返し・面接官との擦り合わせ
撮影した録画を面接担当と見て感想を擦り合わせます。求める思考力やゴール/目的から考える力がありそうであれば合格とします。録画を見る時は2〜3倍速で見ることをオススメします。↓オススメのchrome拡張。

Google Chrome | Video Speed Controllerの使い方 ~YouTubeなどHTML5ビデオの動画再生速度を細かくコントロールする~

 

■良いところ

ワーク実施担当、候補者の準備が必要ない

マインドマップを使い即興で質問をしていくため特に準備の必要がありません。候補者側もこれまでの経験や起きていた事実、考えてきたことをそのまま話をするので特に準備は必要ないです(それだけ対策が無理ということでもあります)

 

■非効率なところ

圧倒的属人性

マインドマップのワークサンプルテストを実施する場合はいかに「質問できるか」が勝負となってきます。面接担当の方はさまざまな知識や疑問に思う力が試されるので圧倒的な属人性でしか成り立たないワークなのかもしれないと思っています。

候補者から「それはこうですね」と言われて「あーそうなのかー」だけで終わったら何も引き出せません。「なぜそうなのか?こういう方法もないのか?別のやり方はないのか?本当にそうか?」と思う疑問力が大事です。

 

思考体力大量消費

とにかく1時間頭フル回転なので、1日の思考体力を消耗することになります。1時間みっちり集中するため本当に疲れるのでその後の予定は入れないことをオススメします。

 

雑記

今回マインドマップにたどり着いたのはあくまで「NewRecordの会社文化としてマインドマップを多用していたから」があると思っています。実際に仕事を進める、考える上でマインドマップを利用しているので「一緒にマインドマップをやったらどうやって仕事をするのかを候補者側も理解できるのでは?」ということも考えていました。

 

仕事ではゴール/目的から考えることを求めますし、純粋な気持ちでなぜを5回繰り返したりします。中には質問をされること=詰められていると感じ取る方もいるのでこちらの素を見せられたらお互いミスマッチが防げてよいのではないかと思っています。

 

以上です。もっと試行回数を上げてよりミスマッチを防ぐための方法はないか模索をしていきたいと思っています。その気づきを少なからず中途採用支援でも還元できればと。

採用プロセスの改善に悩んでいたり、母集団形成に悩んでいればいつでもご連絡ください。

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