内定承諾期限って「即決」以外なくない?

中途採用支援(RPO)を行っている株式会社NewRecord張ヶ谷です。
あまりに過激すぎる気がしたので書いてなかったのですが、自社採用でも内定を出す機会が増えてきたので「こんな考えですよ」というスタンスを示しておこうと思い書いてみます。またこのブログをきっかけに考えをまとめてきてもらえると両方にメリットがあるなと書いていて思いました。あとこれは中途採用に限定した内容としています。

 

一般的には内定承諾期限は1〜2週間

1〜2週間の内定承諾期間を設けている場合が多いように思います。これって暗黙の了解で「他社選考を受けたり、持ち帰ってもらって考えてもらったり、家族に相談したりする期間なんだろうなー」くらいに考えているような気がしています。

でも実際は「考える」と言っても1〜2週間ずっと考え続けている人はまずいないと思うんですよね。せめて1〜2時間くらい?

 

承諾基準が整理できていれば即決できるはず

内定承諾をするかしないかは候補者側の承諾基準が整理できていれば即決できるはずなんです。おおよその基準になり得る候補は下記なんじゃないでしょうか?もちろん1つではなく複数の検討項目を掛け合わせて意思決定するので1つの基準が当てはまるから承諾というわけではないと考えています。

年収
現在年収が500万円だったとします。生活費などを計算した時に500万円を下回ることは難しい。だとしたら500万円以上であれば承諾、500万円以下であれば辞退と決められます。

雇用形態
正社員、契約社員、アルバイト、業務委託なのか。試用期間はいつまで?取締役、執行役員などの場合もありますね。

家族
パートナーがいる場合はパートナーの許可が必要な場合は結構ありそうですよね。その際パートナーは何を気にするのかを把握する必要がありそうです。

また親に相談するケースもあります。堀江さんはこう言っているようです。

堀江貴文「親に従い成功した人を僕は知らない」 

他社選考
他に興味のある会社はあるのか、選考を受けきりたいのか、受けなくてもいいのかを考える必要がありそうですね。

業務内容、ミッション
入社をしたらまずは何を行うのか、何を実現すべきなのか、自分ならそれを達成・実行できると思うのかが大事そうですね。

入社時期
入社時期を相談して、それが合わないから内定取り消しというのは中途採用の場面ではあまりない気がしています。退職交渉の際に少し延びることを許容してくれるかどうかを確認するのがいいかもしれません。

勤務地
面接を受けている時点で予想していたはずなのであまり基準にはならないかもしれません。提示された勤務地が住んでいるところと別だったら論点になり得ます。

 

理由を明確にして、承諾期限を延ばす

内定承諾期限って「即決」以外なくない?というタイトルのブログですが、理由を明確にしてもらえれば承諾期限は延ばします。承諾基準の中にある「家族」や「他社選考」は『考える』というより『必要な行動』なのでそれは承諾期限を延ばすべきです。

家族に相談もせずに勝手に決めて家庭崩壊したらそれはそれで長く安心して働いてもらうことは難しいように思います。また他社選考においても「あの時受けておけば」という後悔を残してほしくないので、もし話を聞いてからにしたいのであれば正直にそう伝えてもらえれば待つべきですね。

仮に辞退になっても自社に魅力がなかった、本人が本当にやりたいと感じたのはそちらの会社なのでそれはそれでいいのではないでしょうか?

 

能力の問題が露呈するかもしれない

承諾基準はなにか、何を解決すれば決められるのか、最後は決める勇気。これは通常の仕事でも必要なスキルです。解決したい課題はなにか、解決策はなにか、どう実行するか、やると決断する。

「考えます」と言っても1-2週間の期限までに四六時中考えている人はいないと思います。どちらかというと漠然と悩んでいるケースの方が多い気がします。

これは仕事を進める際の能力にも似たものがあるように思うので、内定通知をした後に判明する能力・スキルにミスマッチが起きる可能性があるなと感じています。

 

「今決められない理由はなんですか?」

勇気を持って聞いてみましょう。「実は〜」と話をしてくれた時に一緒に内定者と対策を練ることができるかもしれません。また競合より年収が低い提示の場合、高く提示できるように社内交渉する、給与テーブルを見直す、子供の保育園の送迎の時間が勤務時間と少し被るのでフレックスを検討するなどの社内のルール変更の余地があるかもしれません。

内定者の「考えてみます」の期間の採用人事の気持ちはもやもやし続けるだけで精神衛生上良くないので聞いてみると前に進めるはずです。

ちょっと圧強めな質問ですが、内定者の「考えるヒント」にもなるので聞いてみてはいかがでしょうか?