マネジメントをする中でそれぞれの人の認識や判断基準は非常に曖昧だなと感じることがよくあります。「ぞう」を紙に書いてください。と伝えたら象を横向きで描く人もいるし、正面で描く人もいる。また銅像を描く人もいるかもしれない。
そういう前提の中で何かを目標にしていた時にどれくらいその目標を達成したいのか尋ねた際
「本気で思っています」
と言われたらどう受け止めますか?本人はいたって真剣な眼差しで、本気で思っている理由を語ってくれると思います。
判断の基準
曖昧な認識や判断基準がある中で、基準を明確にするには「行動しているかどうか」が判断基準になるはずです。「本気で思っています」と伝えられてもできる時間があったのに1つも行動していなかったら、なにも相談してこなかったらそれは「本気では思っていない」かもしれませんね。
感情的に受け入れられない
でもなかなか難しいものでそれを直接本人に「行動していないからそれは本気で思っていないんじゃないの?」と伝えても受け入れられない場面が多いように感じています。一度反射的に「いや、思ってます」と言ってしまったら引くに引けないケースもあります。
本人の基準は「思ったかどうか」にある場合が多く、「行動したかどうか」の基準ではない。なんなら「思った」というのが行動だと思っているかもしれない。そうなると明らかに食い違いが起きます。
「実はそんなに本気で思っていなかった」でもいい
上司から目標達成に対してどう思うか?と聞かれたらそりゃ「本気で達成したいと思っています」と返答するだろうし、「年収上げたいか?」と言われたらそりゃ上げたいと答えるはず。けどそれは本当に思っているのか?行動していないということは実はそんなに思っていなかったしやりたいとも思っていなかったのでは?
それはそれで発見なので別にいいのではないかと思います。じゃあ別の何をしたいのか、誰に言われるでもなく行動しちゃうこと(本気で思っていること)はなんなのか?を探すきっかけになりそうですよね。
よくある「本気で思っている」
・痩せたい
「本気で思っている」と言っていたのになんで就寝30分前にお菓子食べてるの?
・結婚したい(彼女、彼氏ほしい)
「本気で思っている」と言っていたのになんでマッチングアプリは「なんか怖い」と言ってダウンロードすらしないの?
・年収を上げたい
「本気で思っている」と言っていたのになんで自社の公開されている給与評価制度を理解していないの?
・成果を上げられなくて悔しい
「本気で悔しい」と言っていたのになんで未達月と変わらない行動量なの?
それは実は「本気では思っていない」のかも?痩せなくても、結婚しなくても、年収を上げなくても、成果を上げられなくてもいい世界線はあるはずなので「行動していない」という基準をもとに本当にそうしたいのかどうかを改めて考えてみるといいかもしれませんね。
行動にもレベルがある
「本気で思っている」はなにか1つ行動する=基準を満たすというわけではなくグラデーションがあります。
「本気で登山をしたい」だった場合、Aさんは筑波山・Bさんは富士山・Cさんはエベレストに登っていたとしたら本気度の差を感じます。
「本気で転職をしたい」だった場合、Aさんは30分時間を作って考えた・Bさんは求人サイトに登録した・Cさんは履歴書書いて100社にエントリーしてみただと本気度の差を感じます。
この行動レベルは本人だけで判断をすると小さくまとまってしまう場合があるので、できればやりたいと思っている分野で既に経験のある人に相談をしてみると良いかと思います。「そういう目標を本当に実現しようと思っているならこれくらいやらないといけないね」と経験からアドバイスをもらえるはずです。経験がないけど近くにいる聞きやすい人に聞くのはなんの信憑性もないのでやめましょう。
行動をしているかしていないかは1つの基準になります。しかし「思っていないからダメ」とかではなく「考え直すきっかけ」とするための基準として用いるとよさそうだと考えています。やりたくない時もあるし、行動するのが一時的にだるかったけどその後大成したとかも聞く話なので。
部下との認識の違いで迷った時に利用してみてはいかがでしょうか?
拾い画ですがまさにこれです